かんもくフォーラム2020の感想

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かんもくフォーラム2020の感想
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緘黙フォーラム2020を視聴したので感想を書いていこうと思います。

緘黙フォーラムの内容は?

緘黙フォーラムの主な内容は以下の通りです。

安心して過ごせる環境を作る

そのために下記のことをする

  • クラスの環境を整える
  • 合理的配慮をする
  • 特別支援学級を利用する

安心して過ごせるようにしてから話す練習

  • 話す練習はスモールステップ
  • 失敗しやすいやり方をしない
  • 継続して練習することが大事

専門家を増やす

そのために緘黙についての相談を積極的にする


以上が緘黙フォーラム2020の内容になっています。

自分の個人的な感想を言わせてもらうと、基本的には教師と専門家が中心になって緘黙の子を助けるという話です。

まあ、全く間違っているとは思わないんですけど、どの程度実現可能かのかなって思うところもあります。

気になったことを自分なりに考察してみました。

学校の先生って支援者なの?

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緘黙フォーラムでは学校を支援する側と言う扱いみたいです。

学校の先生って支援する側なんでしょうか?

僕が思うには学校の先生と言うのは職業です。仕事としてやらなければいけないことはしますが、やらなくていいことはやるのもやらないのも自由です。

それに学校の先生はそれぞれ性格や価値観が違ったりします。

だから学校の先生の仕事は子供を助けることもあれば、逆に攻撃することもあったりします。

学校の先生を支援してくれる人みたいに思いこむのはどうかなって思いますね。

僕の考え方としては教師から子供を守ることも考えたほうが良いと思っています。

学校の先生についてはこちらも参照してください。

NEW・緘黙よくある誤解

安心できる環境を作るにはどうしたらいい?

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かんもくフォーラムでは安心できる環境は支援者(教師と学校)が作るということが前提になっています。

まあそうなんですけど、これって親の立場になってみたら難しいですよね?

教師ってあくまでも仕事だからやらなければいけないことならしますが、子供の味方なわけではありません。

安心できる環境を作ってください。と親に言われてもやるやらないは自由です。

それに緘黙の子に限らず安心できる環境のほうが良いと言うのはわかると思います。

じゃあ、すべての子が学校は安心できる環境なんでしょうか?

教師の側に立ってみたら安心できる環境にしたいとは必ずしも思っていないわけです。

じゃあどうしたらいいか?

安心できる環境は学校だけが作る物ではありません。

もちろん協力してもらえるならそれに越したことはありません。

ただ非協力的な場合もあります。

そこで親子で学校を攻略することを考えることで、安心できる環境を作り出すことができます。

具体的に何をすればいいかは、またあとで記事にしようと思います。

失敗しやすいやり方をしない

失敗しやすいやり方の例

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スモールステップで緘黙を改善させることを目指すのですが、大切なのは成功体験で失敗をしないというのが高木先生の主張です。

僕もそれには同意です。

失敗しやすいやり方として以下の5つを取り上げています。

  1. いきなりクラス全員の前で声を出すように促す
  2. その場の思い付きであいさつや返事をさせようとする
  3. クラス替えや進学などの環境の変化にかける
  4. 話すことが必要な状況に自分を追い込む
  5. まずは担任と話せるようになることを目指す

僕が思うにこれって2つに分けることができますよね。1と2と5は教師側がすることで3と4は当事者がすることです。

当事者がする3と4について考えてみました。

成功した人と失敗した人の違いは?

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  • クラス替えや進学などの環境の変化にかける
  • 話すことが必要な状況に自分を追い込む

これって結構やりがちですよね。でも失敗した人もいればうまくいった人もいます。

その違いって何でしょうか?

どうして成功した人と失敗した人に分かれるのでしょうか?

僕が思うにはうまくいった人は緘黙が治っている人(80%とか90%位治っている人も含む)で、失敗した人は緘黙が治っていない人だと思います。

なぜ治っているのに話せないのか?

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緘黙が治っているなら環境を変えたりしなくても、普通に話せばいいと思うかもしれませんが、話しづらい環境ってあったりします。

クラスの人間関係ってだんだんと固定していきます。

誰と誰が友達とか友達のグループができたり仲の悪い人がいたりします。

緘黙が徐々に治ってきてもう話せる状態になっても、そもそも友達が1人もいない状態だと話すのは難しいですよね?

クラスの人に話さないと思われていて、すでに固定された人間関係の中に入り込むって難しかったりします。

しかもクラスの中に自分に悪意を持っている相手がいると、楽しく話そうなんて気分にはなれなかったりします。

そんなときは環境を変えて1からやり直せば話せるようになるでしょう。

でもそもそも緘黙が治っていなければ環境を変えても同じことになります。

だから緘黙がほぼ治っていると思うなら環境を変えるのもいいと思います。

ただ緘黙がまったく治っていないなら、無理に環境を変えても同じ結果になるのでやめたほうがいいでしょう。

どんな時に環境を変えるか?

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あと環境を変えるにもいろいろなパターンがあります。

たとえば緘黙の子が小学生で学校に友だちがいるけど話せない。環境を変えるために他の校区に家族で引越しをする。

家が賃貸だったら可能かもしれませんが、それなりにお金もかかるし大変です。

緘黙がほぼ治っているならありかもしれませんが、そうでないなら失敗したときのリスクが大きいのでやめたほうがいいでしょう。

例えば中学校を卒業業して、誰も自分のことを知らない高校に進学する。

進学先が絞られてしまうデメリットがありますが、どのみち中学は卒業しなければいけないので、進学する高校に問題がないならありだと思います。

ただし環境を変えることだけに、かけてしまうのはあまりお勧めできません。

環境を変える以前に緘黙を改善出来ればそれが望ましいです。
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話すことが必要な状況に自分を追い込む

これも同じです。

緘黙が治っているなら話すことが必要な状況に自分を追い込目ば話せるようになりますが、治っていなければ追い込んでも結局話せなくて凹むだけで終わります。

特別支援学級

緘黙フォーラムの中では「緘黙の子は特別支援学級を利用すると良い」というのが高木先生の考え方のようです。

ただこれもいろいろ難しいことがあるかなって思いますね。

いや、全くダメとは言うつもりはないんですけど…

特別支援学級を利用するメリットと問題点

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まずは特別支援学級を利用するメリットは以下の通りです。

  • 安心して過ごせる
  • 個別の指導計画の作成が義務化されている
  • 話す練習などニーズに応じた対応ができる

でもいいことづくめではなく問題点もあると思います。

問題点は2つあります。

  • 緘黙の子は特別支援学級を利用できるのか?
  • 特別支援学級を利用するデメリット

緘黙の子は特別支援学級を利用できるのか?

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かなり重い緘黙だったら特別支援学級を利用できると思います。机から一歩も動けない、トイレにも行けないなど

ただ他の子と話せないとか発表ができないとかだと微妙かなって思いますね。実際に断らることもあるようですし。法律的には利用できるはずと言う意見もありますが・・・

法律は絶対なのか?

緘黙フォーラムで高木先生は法律で決まっているということをよく言っていました。

まあ確かにそうなんですけど、世の中って法律をきっちり守るとは限りません。

たとえば体罰禁止と言う法律があります。

よくある誤解で、「自分の子供の頃は体罰OKだったけど最近禁止された」

体罰って70年以上前からずっと禁止されています。じゃあ何で体罰をふるう教師がいたかと言うと法律を守らなかっただけなんです。

法律で決まっていても守らなくても罰則がなかったり、積極的に取り締まらなかったら守られるわけではありません。

法律で決まっているからこうするべきだと主張しても、相手との関係を悪くすることもあったりします。

相手にも事情があって限られた人数で学校を運営しているので、きっちり法律を守れるとは限りません。

あと法律で決まっていると言っても学校が親を説得するのも自由です。もし特別支援学級を親が希望しても学校が通常の学級に通うことを説得することも可能だったりします。

特別支援学級を利用するデメリットってないの?

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考えられるデメリットは?

  • 勉強に支障が出る
  • 人間関係に悪影響が出る
  • 親と本人の気持ち
  • 担任の力量によって変わってくる

勉強に支障が出る・・・通常の学級に比べて勉強に影響が出る可能性は否定はできません。まあこの辺は実際に僕が特別支援学級にいたことがないので他の人の経験を聞かないとわかりません。

人間関係に悪影響が出る・・・例えばクラスにもともと友達がいない場合などは、問題ありませんが友達がいた場合は友達と離れ離れになるデメリットがあります。

親と本人の気持ち・・・特別支援学級ってなんだかんだ言って抵抗がある人多いと思います。緘黙フォーラムを視聴した人はほとんどの人が高木先生を信頼していると思います。ただそれでも「早速特別支援学級を利用しよう」とは思う人がどれくらいいるでしょうか?

担任の力量によって変わってくる・・・特別支援学級に入れば手厚い支援をしてくれて、緘黙を治すために努力してくれる。そう思うかもしれませんが担任の力量ややる気に左右されてしまいます。

個別の指導計画の作成は法律で決まっている。だから作ってくれるでしょう。では実践してくれて緘黙が改善されるかと聞かれたらそれは担任の力量とやる気次第です。作るだけ作ってあとは特別何もしないことも考えられます。


特別支援学級については緘黙で特別支援学級を利用して良かったとか悪かったとかあまり聞かないので、まだ何とも言えないですね。

自分だったら特別支援学級を利用するか?

僕は緘黙の程度が軽いので正直言って微妙ですね。たとえば通常の学級でいじめられているけど、特別支援学級ならいじめられないとかなら特別支援学級を利用したいと思います。

でも人間関係が変わらないなら通常級を希望します。あとはやっぱり担任の力量とやる気次第ですね。

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緘黙を治す専門家

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かんもくフォーラムでは各中学校区に一人専門家がいる状態を目指しているそうです。

専門家と言うのは下記の資格を持っている人を言います。

  • 公認心理士
  • 臨床心理士
  • 学校心理士
  • 特別支援心理士
  • 臨床発達心理士
  • 言語聴覚士

これらの資格を持っている人に緘黙について詳しくなってもらう。

そこで緘黙について問い合わせをすれば、緘黙について勉強してくれるので緘黙に詳しい人が増えるということです。

緘黙を治す専門家。なんだかよくわからないけどなんかすごそうだ。専門家が緘黙を治してくれる。積極的に相談をするだけで、そんな夢のような世界が訪れる。

そう考えるかもしれませんが、いくつか疑問があります。

専門家はどこで勉強するの?

緘黙についての問い合わせがたくさん来た。緘黙について勉強をしなければいけない。そもそも専門家と言うのはどこで勉強するのでしょうか?

緘黙について詳しくなろう。そう思った専門家はどうするのでしょうか?

考えられるのは以下の3つです。

  1. 市販されている緘黙の本を買って勉強する
  2. 専門家でしか手に入らないような緘黙を治す方法がどこかにあってそれを勉強する
  3. 市販の本を買って勉強するけど、自分なりの緘黙を治す方法を考えてくれる

2か3ならいいんですけど1だったらどうでしょう?

市販の本を買って勉強をした場合、相談しても本に書かれた内容をそのまま言われるだけだったら意味ないですよね?

すでに親が緘黙のことを知っている場合は、市販の本を読んで内容は把握しているはずです。

まあ市販の本を読んで勉強してくれる場合でも、その子に合った方法を具体的に考えてくれるならいいんですけどね。

どんな治療をしてくれるの?

専門家はどんなことをしてくれるのでしょうか?

普通の病気やけがの治療みたいに、学校とは無関係に治療をして話せるようにしてくれるのでしょうか?

それとも学校に協力してもらうことになるのでしょうか?

その辺わからないですよね。

専門家の権限は?

学校とは無関係に緘黙を治してくれるならいいのですが、学校や教師に協力をしてもらう必要がある場合は、専門家の権限が問題になってきます。

たとえばその専門家が学校に所属していて教師に指示できる立場にいるならいいのですが、学校とは無関係な人だったりした場合は、学校にこうしてもらってください。

と言われても教師はその指示に従う義理はありません。

現在緘黙の専門家はいるの?

現在少ないけど専門家がいて治療を受けている人がいればいいのですが、あまりそういう話って聞かないんですよね。

いま少ないけど緘黙に詳しい専門家がいて、その人の治療を受ければ緘黙が治ったりよくなったりしているというなら、専門家を増やして解決するというのはベストの選択だと思います。

ただ難しい資格を持っている人が緘黙を勉強したら、どうなるのかまだ予測がつかないですね。

話す練習について

かんもくフォーラムでは次のようなステップで話す練習を勧めています。

  • 目標を明確にする(目標は本人と話し合って決める)
  • 次のステップを考える
  • 2ができたらその次のステップを考える

目標の決め方

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問題点としては、子供の側がそんなに乗り気でない場合もある。

その場合は親が言うからとりあえず目標を立てた。

やれと言われたからステップを踏んでいく。

それが緘黙の克服に繋がればいいけど、小さなステップで止まってしまうことがある。

例えば返事はできるようになったけど、他の子とは打ち解けることができない。

授業中の発表はできるようになったけど、友達と話せない。

一見すると回復したような気がするけど根本的な解決はしていないなんてこともあります。

自分だったらどうするか?

子供は世の中のことをわかっていません。ただなんとなく生きていることが多いです。

そこで緘黙が治って話せるようになるメリットと話せないままのデメリットを教えてあげます。

ただしあくまでも本人の味方になることが大切です。

ダメな例としては「話せないと困るよ」

これって子供と敵対しているですよね。

そうではなく子供の味方になって、今後どうすればいいのか導いてあげる。まあこの辺なかなか難しいところなですけど。

ステップの踏み方

ステップの踏み方には以下の方法が提示されています。

  • 友だちと家で遊ぶ
  • 母親と学校で話す
  • 先生と二人だけで音読する

対象年齢は何歳なの?

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かんもくフォーラムではステップについての対象年齢には話していませんでした。

個人的には小学生の低学年向きなのかなって気がしますね。

たとえば高校生だったら親が主導して友達を家に呼んで遊ぶって難しくないですか?

小学生でも低学年と高学年でも違ってくるし、この辺は年齢ごとに分けて考えたほうがいいかなって思いますね。

友だちと家で遊ぶ

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ここで言う友達はどういう意味なんでしょうか?一緒に遊んだり仲のいい人と言う意味なんでしょうか?

それともただの同級生のことを言っているのでしょうか?

その辺があいまいですよね。

小学生の低学年くらいだったら親同士が仲良くなって、家に呼んで一緒に遊ぶというのはアリだと思います。

ただし中学生以上になると友達でもない、ただの同級生を家に呼んで一緒に遊ぶのはまず無理です。[br num=”1″][br num=”1″]

それに週一回くらい定期的にやらないと意味がないということなんですが、そうなると低学年の子でも毎週家に呼んで遊ぶとなると、相手は楽しいのかどうか重要になります。

相手の子が楽しくないとなると一方的にその子の時間を奪うことになります。

相手の子には緘黙の子を助ける義理はないわけです。

じゃあどうしたらいいか?

協力の必要のないことと協力の必要なことを分ける。

協力の必要のあることは相手の負担にならないように気を付ける。

あとは今の時代はインターネットがあるから緘黙の当事者同士で集まって、スモールステップをすればいいと思います。

ヒカキンとのコラボ

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ヒカキンとコラボしたいという話がありましたが正直言ってかなり難しいと思います。0%ではないけど可能性は0.01%以下だと思いますね。ヒカキンとコラボってコラボする側に多大なメリットがあっても、コラボするヒカキンにとって全くメリットがないんですよね。

どちらかが一方的に得する関係って難しいと思います。

緘黙のことを知ってもらうのは自分の利益のためではなく、緘黙の子のことを助けるためだと思うかもしれませんが困っている人は他にも大勢います。

恐らくコラボしてほしいなんて依頼は山のように来ているでしょう。それにいちいち答えるって無理だと思いますね。

なにか特別なコネがあるとかヒカキンにメリットを提示することができれば、可能性があるかもしれませんが、やはり難しいでしょうね。


まとめ

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安心できる環境を作って、そのあとスモールステップでできることを増やしていく。

そして専門家を増やすために積極的に相談をする。

と言うのがかんもくフォーラムの内容です。

かんもくフォーラムを聞いた人は約600人で家族の人が34%だそうです。

と言うことは家族の人が約200人視聴したことになります。

たぶん視聴した人は良い話を聞いたと思ったでしょう。

ただ良い話を聞いても何もしなければ今までと変わりません。今後何をするかが重要になります。

個人的に重要なのは安心できる環境とスモールステップだと思いますね。

相談をして専門家を増やすのは、間違ってはいないけどすぐには何とか出来る問題ではないと思います。

実現したころには子供が大人になっているかもしれません。

まずは今後何をすればいいか計画を立てることが大切です。

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