交換日記
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ネットや本でよく見る緘黙の改善方法があります。そのうちの一つ「子どもと先生の交換日記もお勧めです」この意見に思うことがいろいろあるので書いていこうと思います。

交換日記はお勧めか?



学校の先生と交換日記をして話せなくても自分の気持ちが伝わって学校が楽しかった。などと言う話があります。

一つの例ではなく複数の例があるようなので、実例をもとに子どもと先生の交換日記を勧めているんだと思います。

じゃあ親は学校の先生に子供と交換日記をしてくれるように、頼んだほうが良いのでしょうか?

下記の2つ問題点があったりします。

  • 教師の負担
  • 交換日記の効果

それについてそれぞれ見てみましょう。

教師の負担



緘黙の子がいたら交換日記をしなければいけない。そんなルールはありません。学校の先生は仕事だからやらなければいけないことはします。やってもやらなくてもどっちでもいい場合はやらなくても問題はありません。

だから親が交換日記をしてくれと頼んでも、断るのは教師の自由です。

それに個人的に緘黙の子を助けたいわけではなく、助けるのはあくまでも善意です。

交換日記を書く。それって子供が書いた交換日記を読んで、さらに自分で交換日記を書かなければいけません。

その時間どこにあるのでしょうか?

教師って忙しい忙しいと言われています。学校にいる間は暇な時間があるわけではありません。

そうなると家に帰ってから交換日記を書くことになります。

その時間は残業代は発生するのでしょうか?当然発生しないですよね。

あとは交換日記の内容によっても負担は変わってきます。

どの程度の交換日記を書けばいいのでしょうか?

緘黙の子が書いてきた内容に、1行とか2行感想を書けばいいの?

それとも原稿用紙1ページ分書かなければいけないの?

あと交換日記の頻度も問題です。

月1回でいいのですか?それとも週一回?あるいは一日置きでしょうか?

もし1日おきに交換日記を1ページってかなりヘビーな作業量になります。

自分にとって何の得にもならないのに、そこまでする人ってかなり限られるでしょう。

どうしたら交換日記をしてくれるか?

学校の先生と交換日記をしてもらうにはいろんな方法があります。

  • 緘黙の本や資料を渡す
  • 親が頼む
  • 校長の命令

緘黙の資料を渡す・・・緘黙の本や資料に「子どもと先生の交換日記もお勧めです。」と書いてあります。それをみて自発的に「それでは交換日記をしましょう」と言う人も中に入ると思います。

親が頼む・・・自発的にはやってくれませんが親が頼んだら、交換日記をしてくれる人もいるでしょう。

校長の命令・・・親が頼んでも断る場合でも上司である校長の命令だったらほとんどの人が交換日記をしてくれるでしょう。

交換日記の効果



過去に交換日記をして緘黙が改善したという実例があります。じゃあ交換日記をすれば緘黙が改善するかと聞かれたらそれは違います。

交換日記はただのツールで交換日記をすれば改善するわけではありません。

交換日記って教師の人間性とセットで効果を発揮します。

親が頼んだり、校長の命令だったら交換日記をしてくれるでしょう。

でも交換日記を書いてもその内容にいちいち文句をつけてくる教師だったらどうですか?

信頼関係を築けるでしょうか?築けるわけないですよね?

お互いに好感を持っていない相手と交換日記をしてもあまり意味がありません。

自分の子供の頃を想像してみよう

多分これを読んでいる人は緘黙当事者か緘黙の子の親だと思います。親の場合は自分が緘黙だったらこの人と交換日記をしたいか想像してください。

幼稚園 小学校 中学校 高校 それぞれの学年で担任の先生がいたと思います。

担任の先生を思い浮かべてみましょう。交換日記をしたいと思いますか?

すべての教師と交換日記をしたかった。と思った人のほうが少数派だと思います。

この人とは交換日記なんてしたくないと思う教師もいたと思います。

僕も想像してみました。

誰一人として交換日記をしたいと思う人はいませんね。

性格の悪い教師はもちろんですが、そうでない教師ともそもそもお互いに信頼関係を築こうとは思っていません。

もし交換日記をしなければいけないことになったら多分こう思います。

何で自分だけ面倒な宿題を出されなければいけないんだろう?

めんどくさいなと思いながら差しさわりのないことを1行か2行書いたと思います。そして多分そのうち途絶えることになるでしょう。


結局交換日記ってただやればいいわけではなく、教師の人間性とセットでなければ意味がありません。

自らすすんで交換日記をしよう。信頼関係を築こう。そんな教師と交換日記をするから意味があります。

教師に交換日記を頼んだりをするのはやめておいたほうが無難です。

実際のところはどうなのか?



今子供が緘黙だとわかっている人はどうなんでしょうか?

実際に教師と交換日記をしている人ってどれくらいの割合いるんでしょうか?

8割とか9割の子が教師と交換日記をしているのでしょうか?そこまでではなくても半分いるのでしょうか?

親の集まりとかに入ったことがないのでよくわからないのですが、多分そんなにいない気がします。

「子どもと先生の交換日記もお勧めです」と本には書いてあるのに、ブログでもツイッターでも教師と交換日記をしているって聞かないんですよね。

まとめ


  • 交換日記をするかどうかは教師の自由
  • 交換日記をするのは教師にとって負担になる
  • 交換日記は教師の人間性とセットで初めて意味がある
  • 教師が自発的に交換日記をしようと言う場合は良い
  • 親が教師に交換日記をして欲しいと要求するのはやめておいた方がいい