こんにちは、このブログを作成した俊太です。
私は保育園(幼稚園)に入園して高校卒業するまで場面緘黙でした。(高校卒業して治ったかどうかは微妙です)緘黙のことを知ったのは学校を卒業した後になります。だいぶ前にブログを作って緘黙当事者のオフ会も何回か主催したりしました。
その間に世間では緘黙のことがニュースが取り上げられたり、緘黙に関する本が何冊も出版されました。
そこで私は思うことがあります。
緘黙の本に書いてある内容って実践可能なのだろうか?
と言うことです。本に書いてあることは間違ってはいないと思いますが、あくまで理想で実践するのは難しい部分が多いと感じています。そこでこのブログでは緘黙の子の親は実際に何をすればいいのかをいろいろ解説していきます。
緘黙の本に書いてある内容
緘黙に関する本がたくさん販売されています。内容は大まかに言うと下記のようになっています。
- 早期治療が大切になります
- 専門家(医療機関)のアドバイスを受けましょう
- 親と教師、医師が協力して解決していきましょう
- 園や学校の先生、それからスクールカウンセラーに相談しましょう
- 子どもと先生の交換日記やメール交換もお勧めです
全く間違っているとは言うつもりはありません。ただ肝心なことが抜けているから、これを実践してもうまくいかないことが多いと思います。
本を読んで親がどんな対応をするのかというと以下のことがあります。
- 親と教師が連携することが大切だから学校の先生に緘黙のことを理解してもらうために、緘黙ネットの資料をすべてプリントアウトして渡す
- 緘黙の本を学校の先生に渡す
- 学校の先生にどうしたらいいか相談する・学校の先生と長い時間いろいろ話す
- 早期治療が必要で医療機関で治療できるというから病院に連れていく
それでうまくいっているならそれでいいと思います。
ただ実際、掲示板やブログ・ヤフー知恵袋を見てみると学校の先生に相談したら「大丈夫 心配しすぎ」と言われた。
「学校の先生が非協力的だ」「理解してもらえない」早期治療と言うけど医療機関でも「様子を見ましょう」 と言われるだけ
などうまくいっていない人が多いように思います。
緘黙の子を持つ親御さんに訴えたいこと
このブログでは以下のことをお伝えします
- 学校の先生は子供の緘黙を治したいとは思っていません
- 親と当事者が中心となって解決することが大切です
- 学校の先生にはできる範囲内で協力してもらいましょう
- 医療機関だけで治療できるものではありません
- 最終的な目的は緘黙が治ることです。
- ただしすぐには治らないので緘黙でも困らないようにすることが大切です。
- 緘黙を治すことと困らない事の両方を考えましょう。
緘黙ってこれをすればすぐに治るというものではありません。だから問題を一つ一つ解決していきましょう。
緘黙は大人になれば治る?治療しなければ治らない?
緘黙は大人になれば治るかというと治る場合もあるし治らない場合もあります。
治療しなければ治らないかというと治る人は治療しなくても治ります。
いわゆる病院で治療するというより適切な対応を取ることで、緘黙の症状が和らいだり話せるようになったりします。逆に悪い対応を取られると悪化したり、そのまま話せないままになってしまいます。
緘黙は治る治らないの2択ではなく治ったと言っても完全に普通の人と同じになるわけではなく、後遺症と言うか最低限のことは話せてもコミュニケーションに困る人は多くいます。
さらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
緘黙は大人になれば治るから大丈夫は本当?2つの問題があります
親が何もしなかったらどうなるか?
こんな意見があります。
「緘黙は大人になったら治るから大丈夫」「見守っていきましょう」
じゃあ親が何もしなくても大丈夫でしょうか?
親がなしもしなかった場合は以下のことがおきる可能性があります。
- 緘黙が原因で教師にひどい対応を取られる
- 緘黙が原因で他の子にいじめられる
- 緘黙で話せないから友達ができない
- 緘黙が原因で学校ですごく困ることがある
- その結果、学校が苦痛になる、成績も下がる、運動もできなくなる
- 学生時代辛い思いをする
- 将来にも悪い影響を及ぼす
だから親が適切な対応をする必要があります。
ただし緘黙を治すために何かするのが必ず良いとは限りません。
無理に話すように強要して余計に悪影響を及ぼすこともあります。悪影響を及ぼすことをするなら何もしないほうがましだったりします。
情報を収集しよう
緘黙って普通の病気と違って病院に連れて行けば、病院が治療してくれて治るというものではありません。親や周囲の行動が大切です。
そのためには緘黙を治すため、緘黙が原因で不幸にならないために緘黙の情報を収集しましょう。
緘黙の本を読む、ヤフー知恵袋・教えてgoo、専門家の書いたHPを見る。
緘黙の本は全部読まなくても大丈夫です。
お勧めなのは下記の本です。
イラストでわかる子どもの場面緘黙サポートガイド: アセスメントと早期対応のための50の指針
他の本は時間があったら読んでもいいですが、読まなくても問題ありません。
情報収集は必要ですが、たくさんの情報を得てもそれが緘黙の改善に繋がるわけではありません。
さらに詳しく知りたい方ははこちらをご覧ください
今の状況を確認する
緘黙と言ってもそれぞれ状況が違います。
何ができて何ができないのか?緘黙の程度を確認しましょう。
それがわかれば学校の先生に何を要求すればいいのか?
どんなことで困ってどうしたらいいのか対策を立てることができます。
緘黙だけではなくその他の状況も確認すると今後何をすればいいかの役に立ちます。
さらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
病院に連れて行くかどうか
緘黙は早期発見と早期治療が大切と言われています。
治療方法としては認知行動療法や薬物療法や段階的エクスポージャー法などがありますが、それをしたら確実に治せるわけではありません。
病院だけでなく学校と家庭が協力する必要があると言われています。
病院に行っても「様子を見ましょう」と言われるだけのこともあります。
だから病院に行くことはダメとは言いませんが、過剰な期待を持たないようにしましょう。
やみくもに病院に行くのではなく、ある程度評判を調べてから行くようにしましょう。
さらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
緘黙を治す。緘黙でも困らない。両方を考える
子供が緘黙だと緘黙を治すことにこだわりがちです。ただどのみち1ヵ月とか2ヶ月ですぐに治って話せるようになるのは難しいです。このため治すことだけにこだわりすぎると問題がおきます。
こんな意見があります。「大人になれば緘黙が治るから何もしなくても大丈夫」
これには2つ問題があります。大人になれば必ず治るわけではないのと、大人になって治ればいいのかという問題です。
緘黙の状態で学校に行くといろいろ困ることがおきてきます。そのことで本人が苦しんだりあとあとの人生まで悪影響を及ぼすこともあります。
だからまずは緘黙でも困らないようにすることが大切です。緘黙でも困らなければそれでいいのかというと緘黙が治るのがもちろん理想です。
だから緘黙でも困らない。緘黙を治す。両方を同時に考える必要があります。
学校の先生は緘黙の子を助けたいとは思っていない
緘黙の本を読むと学校の先生が緘黙の子を助けたくて助けたくてたまらない。
そんな前提で書いていますが、そんなことはありません。
基本的に学校の先生は仕事だからやっています。本に書いてあることをすべて実践してくれるわけではありません。
学校の先生は人それぞれ人間性や価値観・能力が違います。
そこを理解していないとうまくいきません。
さらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
学校の先生は緘黙を治したいと思ってはいない?その理由をお伝えします
学校の先生に理解してもらう方法
緘黙の本を読むと「学校の先生に相談しましょう。」と書いてあります。
この相談の仕方が重要になります。
この相談の仕方を間違えると迷惑がられるだけで理解してもらえません。
学校の先生は緘黙の子を助けたいわけではない。そのことを理解したうえでできるだけ学校の先生の負担にならないように相談することが大切です。
そのためには以下のことに気をつけましょう。
- 過剰な期待をしすぎない。
- 無理な要求をしない
- 不必要な情報を与えない
- 要求をはっきり伝える
学校の先生に理解してもらうことは非常に重要です。
ここで大事なのが自分の子は何ができて何ができないかです。
そこがわかっていないと何を要求するのかが曖昧になってしまいます。
さらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
問題を一つ一つ解決していく
緘黙だと困ることがいろいろ出てきます。
その問題は緘黙が治ればすべて解決します。でもどのみちすぐに緘黙は治りません。
緘黙のことを知ってもらって他の人に理解してもらおうという意見もありますが、その問題は緘黙のことを知ったら解決する問題でしょうか?
自分の子供は何ができて何ができないのかを把握してどんなことで困るのかを調べましょう。
個人ブログの過去の経験談を読むと緘黙で困ったことが出てきます。
それらの困ったことはどうすれば解決するのか考えて一つ一つ解決していきましょう。
緘黙といじめ
緘黙だと反撃ができないのでイジメのターゲットになりやすいです。
イジメられていたら学校が嫌いになるし、勉強や運動・他の子との人間関係にも悪影響を及ぼします。
イジメられている状態で緘黙を治そうとしても、それは難しかったりします。
まずはイジメられたら親に報告するように決めておきましょう。
いじめられてから対処するのではなく、事前にどうするか決めておくことも大切です。
さらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
緘黙と学校の成績
緘黙で話せないことで学校の成績が下がることがあります。
これは仕方のない事なのでしょうか?
例えば歌が歌えない。
緘黙の本にはこんなことが書いてあります。「歌が歌えないなら楽器で成績をつけましょう」
そんなことって可能なんでしょうか?
実際に歌が歌えない緘黙の子で楽器で成績をつけてもらっている人っていますか?それ以外にも発音や体育の成績など緘黙で成績が下がることがあります。
ただ仕方ないと言えば仕方ありません。成績と言うのは平等でなければいけません。個人的な塾ならいいのですが学校の場合は成績に配慮するというのは難しいことが多いです。
無理に要求するとモンスターペアレント扱いされるので要求するのは辞めておいたほうが無難です。
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学校を攻略しよう
緘黙以外の子はみんな学校が楽しくて充実しているのかと聞かれたらそんなことはないですよね。
不登校の子ってたくさんいます。不登校の子はみんな緘黙なのかと言うとほとんどの子が違うはずです。
学校の先生に緘黙について配慮してもらっても、それですべてが解決できるわけではありません。
緘黙のことだけでなく自分の子供が学校でうまくやっていく方法を考えましょう。
不登校と苦登校
こんな意見があります。
「緘黙の子は嫌がらずに学校に行っています。だから緘黙でも学校が楽しいと思っています。」
これは間違っていますからね。
実際に楽しいと思っている人もいるかもしれません。でも苦痛だけど行かなければいけないから無理して行っている子もいるわけです。
学校が辛くて行けない子は不登校と言われますが、学校が辛くても我慢して行っている子は苦登校と言います。
程度にもよりますがすごく苦痛に思って学校に行っているのは問題です。
苦しい思いをして学校に行っても勉強や運動・人間関係に良くない影響が出ます。
そのためには学校の先生に配慮をしてもらうことと学校を攻略していくことが大事になります。
ただし学校と言うのは完璧な物ではありません。緘黙の子以外でも不登校になる子がいるわけですから、緘黙の子でも苦登校や不登校になる子もいます。
どうしても学校が苦しいなら学校には行かないほうがいいです。
不登校や苦登校にならないのが理想ですが、無理なら学校行かないで勉強をする方法を考えましょう。
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緘黙と友達作り
緘黙でも学校に友だちがいる子もいれば、友達がいない子もいます。
当然友達がいたほうが楽しく学校に通えますし、困った時に助けてもらうこともできます。だから学校に友達がいるのが理想です。
じゃあ親はどうしたらいいでしょうか?ダメな対応は本人に「学校で友達を作りなさい」と言うことです。
言われたら作れるようなものではありません。友達の作り方は子供の年齢によっても違ってきます。
幼稚園とか小さい子なら事前の根回しが有効です。学校以外で親同士が仲良くなって幼稚園でも遊ぶ約束をしておくなど。
これは年齢が上になると難しくなってきます。
学校以外で話せる子の場合は学校以外で友達を作る方法もあります。あるいは緘黙の子同士で友達になる方法もあります。
大人になっても緘黙が治らない場合
緘黙は出来るだけ早く治るのが理想です。
ただ治そうと思ったら確実に治せるわけではありません。
大人になっても緘黙が治らなかった。そんな時はどうしたらいいでしょうか?
(治らないと言っても程度の問題があります。全く話せないわけではなくある程度は話せるくらいに治ることもあります)
緘黙の子が大人になって一番困るのが仕事だと思います。
大人になったら収入を得て生活しなければいけません。
ただし緘黙が完全に治りきっていないと普通に就職するのは難しかったりします。
仕事として考えられるのは以下の方法があります。
- 会社に配慮をしてもらう
- 障害者手帳を取って就労移行支援
- 親のコネで就職
- ネットビジネス
会社に配慮をしてもらう・・・障害者手帳がないと個人的には難しいと思っています。会社は利潤を追求するためにあります。
配慮が必要な人をわざわざ雇うことは少ないです。
障害者手帳を取って就労移行支援・・・障害者手帳をとることで配慮をしてもらうことも可能です。
ただし収入は少ないことが多いし自分の能力が生かせる仕事に付けるかどうかは微妙です。
親のコネで就職・・・知人や親戚に頼んで働かせてもらうという方法もあります。ただし頼める人がいる人は限られます。
ネットビジネス・・・ネットビジネスで稼ぐ方法もあります。努力すれば可能ですが難易度はそれなりに高いです。
どの方法も普通の人が就職するのと比べるとデメリットがあります。緘黙は大人になる前に治すのが理想です。
まとめ
これをすれば確実にすぐに緘黙が治る方法があれば良いのですが現在のところそんな方法はありません。
緘黙の本に書いてあることは理想なので、すべてが実践できるわけではありません。
どうすればいいのか参考にするために読むのは必要なことです。
まずは今の状況を確認して緘黙を治す方法と緘黙でも困らない方法の両方を考えてください。
子供が小さいうちは親の行動が子供の人生を左右します。