緘黙は何もしなくても問題ないと言う考え方を考察

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緘黙は何もしなくても問題ないと言う考え方を考察
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こんにちは、元緘黙の俊太です。

緘黙は大人になれば治るから無理に治そうとしなくても問題ない。

そういう考え方をする人がいます。

こんな動画を見つけました。

この人の考え方だと緘黙は治療や克服するためのスモールステップは不要と言う考え方のようです。

この人に相談した人は緘黙の子がいて病院に行ったり支援をするところに相談して連携している。

買い物をさせたりして話せるようになるための練習をさせているけど効果がない。

学校に友達が少しいてその友達となら少し話せるくらいだそうです。

この人の回答は

「学校に行けて、友達の中に入って授業も受けていて給食も食べて学校から帰ってくる。」

「このような状況の子に何が不足なの?」

「できないことを何度もやらせるのはダメな価値観を植え付けさせる。」

僕としてはこの人は悪い人ではないと思うんです。

言っていることも全く間違っているとは思わないんですが、この考え方はどうかなって思いますね。

一つ一つ解説していこうと思います。

学校に行っているからそれでいい

「学校に行っているからそれでいい」

その考え方はどうかなって思いますね。

学校と言うのはただ行っていればいいというものではありません。

中身が大事です。

学校に行く目的は勉強をしたり運動をしたり人とのコミュニケーションを学ぶことです。

緘黙状態だと学校に行っているけど、本人の能力を発揮できないことが多かったりしています。

他の子のような経験を得ることができなかったり、苦痛な思いをしていることもあります。

学校で楽しく勉強したり運動をしたり、友達と遊んだりして充実している子もいれば、学校でいじめられたり、落ちこぼれていたり、苦しい思いをしている子もいます。

親から見たら学校に行って帰ってくる。同じに見えますが中身がまったく違います。

学校に行っていると言っても、不登校でないだけで苦登校の可能性もあります。

緘黙と不登校・苦登校にならないためにすること

友達がいるからいい

「友達がいるから問題ない」

この緘黙の子は一部だけど友達がいるようです。

ただ友達がいても他の子みたいに積極的な交流ができるわけではないので、緘黙が治ったほうがいいのは間違いありません。

それに今、友達がいるのは良いけど、今後はどうなるのかわかりません。

クラス替えがあったり、その子が他の子と仲良くなってしまうこともあります。

緘黙が治らないと今友達がいても友達がいなくなるリスクが高いです。

最悪今の友達が敵になることもないわけではありません。

やはり緘黙の状態はマイナス面やリスクが大きいと思います。

いじめられることはない

「いじめたりするのはナンセンスだとわかっているからいじめられることはない」

「少ないけどいじめてくる子もいるかもしれないけどいじめられても他の子が助けてくれる」

「子供たちの力を信じて欲しい。」

完全に希望的観測ですね。

からかうくらいならまだいいけど、悪意を持って接してくる子もいます。

人をいじめて苦しむのを見て楽しむ子供もいたりします。

反撃できないからいじわるをしたり、脅されたり、物を隠されたり、場合によっては暴力を振るわれることもあります。

この人の言うことを信じて、いじめられることはないし、いじめられても他の子が助けてくれるに違いない。

そう思っていると自分の子供が学校でいじめられていても、気づかずに過ごしてしまいます。

実際に緘黙でいじめられたという人も多くいます。

緘黙の子は他の子よりいじめられるリスクが高いのでより一層注意が必要です。

緘黙の子がいじめられている。その時に親はどうすればいい?

いろんな子がいると教えるいいチャンス

「喋らない不安がちな子供も含めて1つのクラス・コミュニティーと教えるチャンス」

相談している人が学校の先生ならそれでいいと思います。

でも親の立場ではそんなこと言われてもどうしようもありません。

担任の教師がどうとらえるかで変わってきます。

特に何もしないならまだいいのですが、喋らないのは問題だから怒ったり返事の練習をさせることもあったりします。

親としてはそれを防ぐために行動をしないといけません。

大人になれば話せるようになる

「大人になれば話せるようになります。」

これには2つの問題があります。

大人になれば必ず話せるようになるとは限らない事と緘黙状態だと学校で苦労することです。

緘黙だといろいろ困ることが多いです。

何のサポートや配慮もなしで学校に行くと苦しい思いをしたり落ちこぼれてしまったりします。

大人になって話せるようになった。

そこだけ取り上げて問題がないと考えるのは問題です。

緘黙は大人になれば治るから大丈夫は本当?2つの問題があります

心配しすぎない

過剰に心配することで家庭が暗くなってはいけないというのは同意です。

ただ全く心配をしないのは親としては楽かもしれませんが、問題があります。

子供のことは正しく心配をするべきだと思います。

今何をするのがベストなのか?学校でうまくいっているのか?

いじめられていないか?

地震と同じですね。地震が怖くて夜も眠れません。というのは問題です。

でも地震について全く心配していません。備蓄もしていなければ地震が起きた時の行動も決めていません。

それってどうなんですか?

過剰な心配はいけないけど、適切に心配することは必ず必要です。

スモールステップは必要ない

「できないことを何度もやらせるのはダメな価値観を植え付けさせる。」

緘黙が治らないといろいろ困る場面が出てきます。

本来の力が発揮できないことが多くなります。

治るなら治るのがベストなのは間違いありません。

ただしスモールステップをすれば必ず治るとは限らないという問題があります。

効果がないだけならまだいいのですが、この人の言うように苦痛に感じてしまうこともあります。

だからスモールステップは必ずやるべきだとは僕は思いません。

でも効果があって苦痛に感じてないならやるべきだと思います。

緘黙だから必ずスモールステップをやるべきと決めつけるのではなく、それをしたら緘黙が改善するのか?

どの程度の苦痛を伴うのか?

そのバランスが大事だと思います。

あとはスモールステップだけでなく緘黙を改善させる方法ってもっと別にあると思いますね。

まとめ

この人に相談している人はどうしたらいいか?

なかなか難しい問題だと思います。

緘黙の子が病院に行って買い物の練習をさせてもいまいち効果が感じられない。

そのままスモールステップを続けるのか?

あるいはこの人のアドバイスどおりにスモールステップを辞めるのが正しいのか?

まずは本人の気持ちの問題だと思います。

買い物の練習を苦痛に感じているのかいないのか?

あとは買い物の練習が緘黙の克服に役立っているのかどうかも考える必要があります。

苦痛に感じているかどうかはわかりませんが、効果を感じないなら買い物の練習はしなくてもいいかなって思います。

緘黙はできるだけ早く改善できるのが理想です。

だから改善できる方法があるなら実践するべきだと思っています。

僕としては緘黙の改善にはスモールステップ以外の選択肢もあるんじゃないかなって思いますね。

スモールステップ以外の選択肢は今後記事に書いていこうと思います。

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