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緘黙で話せないため英語の発音の点数付かなくてその分、通知表の成績が下がった。

音楽の成績で歌の声が小さいことを理由に通知表の成績を下げられた。

そのことが不満だという親や当事者の意見を目にすることがあります。

緘黙が原因で成績が下がる

これは仕方ないことなんでしょうか?

それとも緘黙に対する理解がない間違った行動なんでしょうか?いろいろ考察してみました。

通知表はどうやってつけるのか?



まず通知表と言うのはどういう基準でつけられているのでしょうか?

まずそこを理解しましょう。

そもそも通知表の成績とはテストの点数だけでつけるものではありません。

テストの点数だけで通知表を付けるなら通知表はパソコンにテストの結果の数字を入力して、自動的に高い順に成績をつければいいですよね。

それなら学校の先生がつける必要はありません。でもテストの点数だけではその子の能力はわからないこともあります。

英語の能力を評価する場合



単にテストの点数だけでは決められないところがあります。

発音がうまい人と発音が下手な人、どちらが英語の能力があるか聞かれたら発音が上手い人だと思います。

テストの点数だけではなく発音が上手いか下手かも評価に入れることは、単にテストの点数だけで成績を付けるより 正当な評価になることはわかると思います。

音楽の能力を評価する場合



歌が上手いほうが音楽の能力が上になります。

歌のうまさは声の大きさも関係してきます。

たとえばカラオケボックスで点数をつける機械がありますがあれだって声が大きいほうが点数が高くなります。声の大きさも歌のうまさに入るんですね。

これは音程が外れていたから音楽の成績が低かったと同じです。

正当な評価と不当な評価の違い

例えば「発表の声が小さいから通知表の数学の成績を下げられた」とかなら抗議してもいいと思います。

緘黙に限らず数学の答えの字が下手だから、通知表の数学の成績が低くなるのは問題です。

でも習字時間に字が下手だから習字の成績が低くなるのは仕方ないことです。

声が小さいから音楽の成績が下がった

しゃべれないから発音の成績をつけられない。

それは正当な評価です。

緘黙と成績の配慮はどうすればいい?


緘黙の本 「学校における場面緘黙への対応」にはこんなことが書いてあります。

「場面緘黙で歌が歌えないから通知表の成績が斜線だった 納得がいかない」と言うような保護者の訴えがある。

それに対する答えが他の子の前ではなく教師と一対一の場で歌う。それもできない場合は家で歌えるならそれを録音録画するなど配慮が必要です。

ただこれって緘黙の子以外の子にとって不利益にならないようにすることが大切だと思います。

教師と一対一の場で歌うくらいならOKかもしれませんが、録音や録画の場合、他の子は一発勝負なのに対して録音録画だったら何度もやってうまくできたものを提出すればいいと言うことになります。

さらに家でも歌が歌えないない生徒にはどうするか?

「学校における場面緘黙への対応」の答えは楽器でもいい

それだったら緘黙でない生徒も音痴な生徒は楽器でもいいとしないと不公平になります。

そもそも笛と歌唱の点数を両方付ける場合、楽器でいいと言うなら普通は笛と歌唱の点数をつけるのに緘黙の子は笛と笛になっておかしなことになりませんか?

もしくは笛と他の楽器(カスタネットなど)にするんでしょうか?

あと他の子は歌唱に対して楽器のうまい下手って比べるのって難しくないですか?

英語の発音についてはどうでしょうか?

発音は他で代用と言うわけにはいかないですよね?

家で録音と言う手段もありますが、その声がほんとにその子の声なのか教師にはわかりません。

映像にするという手もありますがやはり一発勝負ではないという点で緘黙の子以外にとって不利になることもあります。

まあそれくらいなら大した違いではないのでOKとできるかもしれませんが…

学校以外でも教師が見ると思うと話せない場合は特に問題があります。

喋らない子の成績をどうやって付ければいいんでしょうか?

緘黙で話さないから通知表の成績が下げられて不満だ。

もしそう思うなら逆に聞きます。

あなたが教師だったらどうやって成績を付けますか?

緘黙の子だけテストの点だけで採点をする?それでは結局 発音に関してプラスされないわけだから成績が下がりますよね。

もしくは他の子もテストの点だけで採点して発音に関しては評価をしない。と言うことにしますか?

それだと発音が得意な子にとって不利になりますよね。

自分のクラスだけ緘黙の子がいるから英語の発音がうまくても成績が良くならない。なんてことになったら不満に思うのはわかると思います。

それでは緘黙で話せないから50点にしますか?

じゃあ発音がうまい子は100点、下手な子は30点、話せない子は50点にしたら下手な子は損をしています。

成績について緘黙の子に配慮してもらいたいのはわかりますが不公平にならないように配慮するのは非常に難しい。

成績に対する配慮はあったら助かるかもしれませんが、配慮はすればするほど教師の負担が増えることはわかると思います。

そもそもこれは教師の一存でできる物でしょうか?勝手にやったら校長に怒られたりはしないんでしょうか?

担任の教師の独断で配慮をすると他の子にとって不公平になって苦情が来てあとあと問題になるかもしれません。



国や学校などで明確な規定でもあればいいと思いますが
個人の判断で成績について配慮するのは難しい。

そこまで点数を増やしたいですか?

その点数の違いが人生にどれくらいの違いが出るんでしょうか?

成績に配慮してもらうために教師に負担を強いるなら他のことを配慮してもらったほうが合理的なんじゃないでしょうか。

緘黙の場合 どうしても成績に影響が出ることもあるだろうけどそれである程度成績が下がるのは仕方ない。

その辺はわりきって他でいい点を取れるように努力するしかないんじゃないかなって思います。